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新型コロナ対策のモードチェンジのために必要な基礎知識について~井上正康先生に訊く~

横浜市長選挙での与党敗北の背景にあるのは新型コロナ対策に対する国民の不満や不安であったとされるように、秋の総裁選に向けて、いよいよ新型コロナ対策の局面転換が政治的にも問われてくる正念場を迎えることになると思います。そうでなければ、菅政権は行き詰まるだけでしょうし、来る総裁選でもこのことがテーマにならなければ、与党は総選挙を乗り切ることができないのではないでしょうか。

ここで意味する局面転換とは、新型コロナに対する正しい知識に基づいて社会の正常化を図ることです。そのためには、感染症としての分類のインフルエンザ並みへの変更や、今回のパンデミックの諸悪の根源ともいえるPCR検査の停止などがメニューになってくるはずです。そして、感染症の基本に立ち返り、重症化対策に医療政策の資源を集中するための措置も必要になってくるでしょう。

しかし、感染拡大を恐れずに社会活動を正常化するためには、国民がそのような心構えができるだけの感染症に対する正しい知識を共有しなければなりません。

ここでは以下、これまで官邸筋にも局面転換を求め続けてきたモードチェンジプロジェクトチームに属する私と井上正康先生(大阪市立大学名誉教授・分子病態学)とのやり取りを、私からの質問とそれに対する井上先生からの回答のかたちでご紹介したいと思います。新型コロナについてまん延する誤解を少しでも解き、正しい知識の共有に向けて役立つことができればと思います。 

質問1)

尾身氏は記者会見で、感染者数よりも「重症者数とか入院者数などを含めた医療のひっ迫程度をより重視するようなことを出口戦略の基本とするようにすべき」としており、感染症の視点分類をインフルエンザ並みの5類へと引き下げるべきとの議論については「現実の運用は既に、必要な患者だけが入院するようにしている」としていて、すでにインフル並みの運用になっていると言っているようです。

ならばなぜ、例年のインフルでは病床ひっ迫は起こらず、コロナの場合は起こっているのか。「ひっ迫度合い」は確かに大事なメルクマールですが、インフルによる重症化とは異なる扱いをしていることが背景にあるとしか考えられませんが、この点はいかがでしょうか?

(井上先生)

これはやはり、『インフルエンザ並みの5類以下への格下げ』に全ての鍵があります。デルタ株で騒いでいるのも陽性者数であり、実際の重症化率や死亡率は著しく低いままです。全員がマスゴミ(そのまま)の誤情報の被害者となっており、生データを読み解く行為を放棄しているのが現在のコロナ脳社会です。

質問2)尾身氏は「現状ではこれがインフルエンザと同等というのは、無症状者、軽い人がいるという意味では、そうかもしれませんけれども、実は感染すると若い人でも重症化する、あるいは非常に軽くても、特に若い人で後遺症がこれだけ長く続くということは、これは明らかにインフルエンザとは違いますので、今のところは、やはり弾力的に既になっているので、今の段階で5類に変える必要は、私はないと思います。」としています。この点に対する反論が肝だと思いますが、いかがでしょうか。

(井上先生)

『感染すると若い人でも重症化する、非常に軽くても、特に若い人で後遺症がこれだけ長く続くという事実』は嘘であり、何処にもそれを証明するデータはありません。テレビが垂れ流した『子供も重症化した‼️』とのフェイクニュースは、偶々、軽症のI分類の子供を重症者病棟に一時的に入れたが、軽症で問題無かったので直ぐに退院させたのが事実。こんな犯罪的な誤情報を検証もせずに真に受ける政府機関や専門家も情けないですが、今や日本のメディアや日本人の思考力自体が最低レベルに劣化している証拠。

デルタ株に関する井上の考えは、デルタ株は感染力が増加したACE2受容体標的型の変異ウイルスであり、特に消化器症状が強く出ており、これが本来の『タチの悪い風の本体』です。感染力が強くなった分だけ多くの方が感染しますので、その割合だけ重症者や死者も増えます。しかし、全感染者数を分母に取ると、明らかにリスクは激減しています。

これがウイルス感染と共存する人類の宿命であり、去年まで多くの国民を罹患させてきたインフルエンザはまさにその好例です。デルタ株以降も次々に新型変異株が誕生し続けますが、タチの悪い風なので『手洗い、うがい、鼻洗浄、口腔ケア、トイレの消毒清掃』をこれまでより少し熱心に行うことで、それ以上は不要です。そんな常識的知識がないのが現在の「蛸壺専門家集団」のアキレス腱です。

…接触率は50%、出勤は70%削減の呼びかけのみならず、緊急事態宣言を全国に拡大することや、さらに厳しい法的措置までが叫ばれていますが、もし、その根拠となる医学的知識が間違っていたら、これが国民全体の行動制限をさらに長引かせ、それによる犠牲をさらに大きくするものであるだけに、トンデモナイ愚策を繰り返してしまうことになります。

というのは、社会的距離戦略の根本にある新型コロナウイルス「空気感染説」が、ほとんどの医療専門家たちの見解とは反して間違いではないか、少なくとも、井上正康先生から教わるところからは、そう考えざるを得ないからです。

質問3)井上先生は、新型コロナウイルスが体内で最も増殖する場所は腸であり、排便を感染源とする感染が主流であること、この病気は肺炎というよりも、ウイルスのスパイクが血管を傷つけることによって発生する血栓が血管を通って体中に飛ぶ病気であり、その結果として肺に血栓が飛ぶことで間質性肺炎が起こっているものであることは、すでに科学的に結論が出ているとしています。このような説明に対して異論が色々と出ています。

(井上先生)

『コロナは空気感染説する』の出所は仙台の西村先生の本『もう騙されない新型コロナ』が根拠となっています。西村君はインフルエンザの専門家で、未だにコロナが肺炎として上気道から感染すると思い込んでいます。コロナの本質が血栓症であることの病理学的理解ができておらず、『またまた騙された…』の残念な本になっています。西村君の『新型コロナウイルスは細菌とは異なり、手指からうつることはない』との説は、感染症の素人のもの。コロナと同様に糞口感染するノロウイルスは手から口へ入ります。

…ここで私から解説を加えますと…「糞口感染」とは、「病原体を含む糞が手指を介して口へ入る経路」のことで、新型コロナの場合、トイレの水洗やウオッシュレットの目に見えない飛沫が便器に付着していたり、あるいはトイレットペーパーを通して、手指などに付着したウイルスが、ドアノブなどへの物理的付着を通して人から人へと感染していくというのが、井上先生の説明です。もちろん、感染者が飛ばした唾液の付着したものを通じて感染するケースもあるでしょうから、人と人の距離を離したりマスクを着用することに全く意味がないこともないとは思いますが、メインの感染ルートが物理的付着であれば、感染抑制対策は現在とは全く異なるものでなければならないはずです。

少なくとも、むやみやたらと「三密回避」を言うことではないはず。正しい感染メカニズムの知識に基づいた対策さえすれば、飲食店を閉めさせたり、イベントを中止する必要もなくなるはずです。

質問4)さらに西村氏は、「ウイルスは細菌とは異なり、細胞の中でしか生きていけない。どこかに付着しても、すぐに死んでしまうから、それが手を介して感染するということはあり得ない。」としていますが、いかがでしょうか?

(井上先生)

彼は昨年のNEJMの『様々な生活品の表面で温度と湿度を変えるとどのくらいの期間感染力が維持できるか⁉️』と言う最重要論文すら読んでおらず、不勉強であり、未だにコロナがインフルエンザと同様の肺炎であるとの固定観念に縛られており、病態の本質が血栓症であるとの病態論的理解が不足しているようです。

『新型コロナウイルスが空気感染でうつるものであることは世界の学界の常識となっている』としていますが、その常識が間違っているから誰も感染を止められずに今に至っています。権威に左右されず、常識を疑うのが研究の基本であり、腸のACE2受容体の重要性を未だに専門家が見落としているのが実情。これには富岳のエアロゾルの映像が無意識脳をコロナ化する上で極めて大きな役割を果たしました。

『エアロゾルでのウイルスの拡散はものすごいもので、感染があっと言う間に広がるのは空気感染だからである』という説明はわかりやすいですが、それなら山手線や地下鉄の沿線沿いに感染爆発が起こるはずで、そんな気配はどこにもありません。ヒトは一度思い込むと中々変えることは困難です。私も研究者として、常にその落とし穴にはまらない為に、常に論文を読み、50年間鍛えてきた思考力を研ぎ澄ませてフレキシブルに考えることを生命線と肝に銘じています。

…そして、井上先生は以下のように自らの立場をまとめています。

「私は、コロナの主感染部位が腸であり、彼らの主な出口が便である事実に立脚して主ルートを考えていますが、口からの飛沫感染を否定する立場ではありません。特にC t値20以下で陽性の場合は唾液から飛沫感染する可能性があると考えており、感染力の激増したデルタ株では飛沫感染の可能性もあると考えています。あくまでも病理学的基本概念を視野に入れ、常に一次情報に基づきロジックを構築していく事を研究者としての基本に据えております。『これまでの研究で外した事が無い』との同僚達からの信頼も、その基本を逸脱しない為です。」

「SARSがイキナリ誕生した様に、突然変異は人知を超えたレベルで起こるので、常に謙虚に実態を観察し続ける事が何より大切です。その最も大きな羅針盤は、人流抑制策が全て失敗した事実です。コロナ免疫は直ぐに低下して長期的防御が不可能な事は、獣医学研究では常識でしたが、弱いながらも免疫記憶があるので再感染しても重症化しないのが永年の風邪の常識です。」

「感染防御は将棋の戦いと同じで、『歩(自然免疫)、飛車角(抗体などの液性免疫)、及び金銀(細胞性免疫)』の総合戦です。自然の感染では自然免疫での記憶が重要であり、ワクチンはこれを無視した人工的欠陥戦争であり、二種類の軍隊しか戦いに参加しておらず、これが最大のアキレス腱である。この事は全ワクチン医学の根底を揺るがす可能性があるが、いわゆる専門家はこの重要性を誰も理解しておらず、大半のワクチンが大した予防効果がない事実もこれと関係してきます。今後、ワクチン医学全体を再考する時期です。」

…なぜ、こうした知見が社会で共有され、政府や自治体が正しい対策へとモードチェンジをすることがこんなに遅れているのか。私はこれまで、新型コロナに対する認識について異論があれば、私と井上先生との共著「新型コロナが本当にこわくなくなる本」を読んで、エビデンスをもって反論してくださいと申し上げてまいりましたが、今までどなたからも、そうした反論はいただいていません。むしろ、私から多少とも反論をいたしますと「この話はやめましょう」で終わってしまうこともあり、とても残念なことです。

井上先生から、こんなメッセージを発信してほしいというメールがありました。

「自然な感染が理想的な免疫の免許更新であり、ワクチン以上の免疫力をつけてくれる。第五波を経験しつつある日本人は大半が無症候性感染しており、ワクチンを五回も摂取した状態にある!マトモな医学教育を受けた医師達はウイルス感染学と免疫学の基本を思い出そう‼️」

質問5) 若い世代の重症者が増えていることが懸念されていますが、実際のところはどうなのでしょうか?

(井上先生)

年齢別重症化の生データをみると、その実態は30代一人、40代37名に過ぎません。『針小棒大』の典型ですね。実は、この手のフェイクニュースはワクチンが始まって以来、接種させたい年齢層をターゲットに危機感を煽る作戦に利用されており、『30〜40代』の次は『10〜30代でも重症化する可能性がある(実際は1人程度)』とのキャンペーンが始まりつつあります。実に許し難い悪質報道ですね。こんなもの、全てインフルエンザの実害に比べたらモノの数には入りません。切り取った数字のみで議論すればどのようなシナリオでも書けてしまいます。

質問6)菅政権はワクチンに続き、治療薬に期待をかけ始めています。抗体カクテルの普及に乗り出しましたが、これはパンデミック収束の決め手になるものでしょうか?

(井上先生)

これは焼け石に水であり、パンデミック収束とは無縁です。抗体カクテルは既存の変異株に対するミサイル療法であり、重症化する少人数に対しては一時的に効いても、物凄い速度で変異し続けるコロナには直ぐに無用の長物になります。パンデミックでは『太平洋に目薬程度の効果しか得られない』と思われます。 

質問7)では、イベルメクチンはいかがでしょうか?

(井上先生)

これは中野医師など一部の医師が医師主導型使用で患者での有効性を感じている程度であり、キチンとした比較試験は済んでいません。安価で毒性の低い薬なので先ずは緊急措置として、症状のあるデルタ株感染者の希望者(例えば数百例)に与えて経過観察し、非投与群(無数)と比較すれば有効性は判明すると思われます。カクテル抗体の様なコストパフォーマンスの悪いモノを開発するより遥かに現実的と思われます。

質問8) 自然感染で変異に応じて順番に新型コロナウイルスに感染していくと、抗体値は低下していても免疫記憶が残っているので、感染しても重症化を抑止すべく抗体が出てくるようになっている(格納庫に武器が備わっている)と言えるのであれば、分かりやすい説明になるのですが、いかがでしょうか。

(井上先生)

これが免疫の基本です。自然感染の場合はポリクローナル抗体が何十種類もできるのと細胞免疫が形成されるため、変異株への感染から防御する効果はあるが、コロナ抗体は直ぐに低下するので次の変異株にも感染しうる。しかし、細胞免疫と共に記憶されているので、再感染しても無症状か軽く済む。これはワクチンでも同様であるが、過去の株に対する古い遺伝子情報で新株に常に遅れをとっていることになる。

ワクチンは自然感染に比べて感染リスクはより高い。しかも、今回のワクチンはワクチンの名を借りた医療暴走以外の何者でもない。両者とも一定期間後には抗体値が下がるので、再度、感染する。イスラエル、英国、米国が好例。

『ワクチンが既存の遺伝子情報に基づいた既存のウイルスに対する特異的な抗体を形成するのに対し、自然感染はその後の変異株にも有効な抗体を産生する総合的免疫である』

これが正解。今回のワクチンは『スパイク』の情報のみにしか対応できず、ウイルスの他の部分に対しては白痴状態であり、総合戦で負ける主因です。

粘膜での自然免疫で最重要のIgA抗体の重要性を全員が忘れてワクチンヒステリーに遁走しており、これが敗因です。

…つまり、ワクチンも抗体医薬も、既存のウイルスの遺伝子情報に基づいて製造されており、しかもスパイク部分だけしか見ていないのに対し、自然感染の場合はウイルスの本体にも応じた免疫記憶が形成されているので、変異に対しても非特異的に効果を発揮する…。

上記のように、自然免疫がワクチンよりも優位であるということにいずれ人類社会が気付いたとき、それはポストコロナに向けた人類文明の転換を象徴する出来事になるような気がいたします。今回のコロナパンデミックは、「自然は人為によって克服すべき対象である」として拡大発展を続けてきた西洋文明の行き詰まりと、日本が古来営んできた自然との共生こそがこれからの人類社会の道であることを示しているのかもしれません。

だからこそ、日本人が世界に先駆けて以上に述べた新型コロナに関する正しい知識を共有することは、単なる政権の安定を超えた大きな意味があるのではないかと思います。
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Author:matsuda-manabu
松田政策研究所は、松田学を中心とした講師・研究員が、これからの日本の未来に関する国家像や社会の在り様について総合的な調査・研究 を行い、夢を持てる国づくりの基盤を創り、社会と国家の発展に寄与するのが目的です。

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