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政府暗号通貨「松田プラン」第8回~デジタル円が実現する未来のトークンエコノミー~

[財政と金融の究極の一手、政府暗号通貨「松田プラン」MMP第8回]

これまで色々な方々に「松田プラン」をご説明してきたが、すぐにピンとくるのは情報技術の最先端を知る方々である。しかし、経済の専門家やエコノミスト、あるいは政治家にとっては、なかなか簡単に頭に入らないようだ。理由は、これから日本が世界を先導する上で不可欠なのがブロックチェーン革命であることや、それが実現する次なる経済社会が「トークンエコノミー」によって支えられることへの理解不足であろう。
中国がデジタル人民元の導入を予想以上のスピードで進展させていることの意味や、世界的に中央銀行がブロックチェーンを用いた「デジタル通貨」(CBDC)の研究を本格化させている状況についても、日本の論者たちの意識は薄いようだ。
「松田プラン」(MMP)は、現在、日本銀行が研究を進めているような中央銀行発行の「デジタル円」では、新たにこれを発行する意味はなく、政府が発行するものでなければならないことを主張する構想である。その意味の一つが、未来のトークンエコノミーで日本が世界を先導するポジションをとることにある。
その大前提となるのが、現に日本政府がマイナンバー制度で部分的ながら管理している個人情報をデジタル円と結びつけることであり、将来、政府の情報管理がブロックチェーン化されれば、このデジタル円が政府の様々な公共サービスとの結びつけをさらに強め、国民にとって極めて利便性の高い世の中が世界に先駆けて日本で実現することになる。
菅新政権も「デジタル庁」の創設など、データエコノミーの進展に本格的に取り組むようであるが、大事なのはその中身である。政策立案の領域にトークンエコノミーを組み込むことで、日本が世界を先導できる国になることの意味への理解を深めていただくことが重要である。
今回は、「松田プラン」への理解を深めていただく一助として、ブロックチェーン革命の意義と、トークンエコノミーについて取り上げてみたい、

●ブロックチェーン革命の意味
これまでの「インターネット革命」に続く次の「ブロックチェーン革命」が、人類社会を大きく変えていくことが予想されている。ただ、多くの場合、ブロックチェーン技術については、その一つの側面、つまり、「電子データを改ざん不可能にする技術」という面からしか、その特性が説明されていない。
それは、誰もが参加でき、中央に管理者がおらず、参加者がお互いにチェックし合うことで信頼が成り立つプラットフォームとしての「パブリックチェーン」の説明でもある。これが、人類社会を発展させてきた中央集権型の仕組みを、分散型の仕組みに変えることで、21世紀型の社会への変革をもたらすことになる。しかし、その本当の意味が十分に理解されていない理由の一つが、多くの説明が仮想通貨の基盤としてのブロックチェーンの説明にとどまっていたからである。
仮想通貨との関係でいえば、ブロックチェーンのもう一つの使い方として「プライベートチェーン」というものがある。それは分散型とは逆の、中央集権型の使い方であり、昨年来、世界的に話題となっている「リブラ」や「デジタル人民元」も、プライベートチェーンによる発行を想定しているものである。
実は、ブロックチェーンがこれから社会を大きく変えていくことになるというのは、こうした仮想通貨(暗号通貨、暗号資産)の基盤というよりも、もっと大きな意味がある。それは、ブロックチェーンには、お金とは別の、より広く、より本質的な特性があるからだ。そして、これが「トークンエコノミー」を生み出し、その不可欠な一部として位置づけられることになる「トークン」にこそ、私がこれまでも提唱してきた「未来のお金」の大切な意味がある。
従って、近未来に誕生することになる各種通貨について理解していただくためには、ブロックチェーンの本質的な意味やメリットへの理解が欠かせない。
ただ、これは現段階ではまだ、始まったばかりの黎明期にある技術である。これから発展していく技術として、日本でも、社会実装のチャレンジがこれから始まることになる。その行き着く先として、私は「ブロックチェーン革命が世界を変える」と提唱している。しかも、日本がそのモデルとなって、新しい人類社会が生まれると考えている。

●新しい社会とユーティリティトークン
21世紀に入って20年、この間、人類社会に大変動をもたらす大きな出来事が相次いで起こってきた。21世紀最初の年の01年には9・11「同時多発テロ」、08年にはリーマンショック、11年には日本で起こった3・11「東日本大震災」、そして今年は「コロナショック」。
これらはいずれも、21世紀が人類全体にとって大きな文明の転換期となることを予感させるものである。では、次なる人類社会を支えることになるのはどのような技術なのか。情報技術面ではビッグデータを駆使したAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)なども挙げられているが、私は、日本が世界をリードできるポジションをとれるのがブロックチェーンだと考えている。
リーマンショックのあと、グローバルな資本主義の行き詰まりが強く世界の人々に意識されるようになった。格差の拡大、中間層の崩壊、さらには健全な民主主義の崩壊も、金融主導の強欲資本主義が原因だ…。私は資本主義そのものを否定するつもりはないが、世界の人々が、これに代わる新しい社会のパラダイムを求めるようになるなかで、それを実現することになるのが「ブロックチェーン革命」なのである。
これで新たに生まれる社会を、私は、資本主義社会と共存するかたちで形成される「協働型コモンズ」社会と呼んでいる。この社会を支えるのが、仮想通貨のなかでも「ユーティリティトークン」と呼ばれるものだ。これは、特定の価値をバックに、その価値とつながるかたちで発行され、その価値を価値として認める人々の間で流通して、その価値を経済的に支える「みらいのお金」である。自分で自分が大事だと思う価値は何かを考え、一人一人が選択する、それで成り立っていく世の中が、お金の面から生まれそうなのである。
仮想通貨には大きく言って、3つの種類がある。一つは、①誰もが支払いに使うことを想定した「ペイメントトークン」。ビットコインのような、いま「仮想通貨」と言われているものがこれである。これから出てくるかもしれないリブラとか、中国のデジタル人民元のようなデジタル法定通貨も、この分類に入るが、発行方法は、前述のように、ビットコインなど現在の仮想通貨のような分散型ではなく、中央集権型になる。
もう一つは、②それぞれが何らかの価値や信用をバックに発行され、特定のサービスと結びついている「ユーティリティトークン」だ。誰もが支払いに使うよう設計されているわけではなく、バックとする価値を積極的に評価する人々や、つながっているサービスを受けたい人々の間で流通することになる。
さらにもう一つ、③それ自体が利子や配当などを生む金融商品としてつくられる「セキュリティトークン」がある。新しい資金調達の方法として注目されている。②の「ユーティリティトークン」とは、③の「セキュリティトークン」と対をなす考え方であり、あるサービスにアクセスするためのトークンとして使える場合がこれに該当する。
「松田プラン」についての本連載の中で取り上げてきたデジタル円は、上記の3つのうち①のペイメントトークンであった。トークンエコノミーの本質を理解するためには、②のユーティリティトークンを理解する必要があるが、その前に、ブロックチェーンの本当の社会的メリットとは何なのかを理解しておく必要がある。
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●ブロックチェーン革命で若者たちに日本の希望を
この「みらいのお金」のことを語るときに気になるのが、いまの日本の若い世代の多くが、未来に対して悲観的になっていることである。若者たちの最大の関心は老後のことだとも聞く。私が20代のころには、自分の老後の心配など考えたこともなかった。
日本は未来に希望が持てない国…?経済面から考えれば、そうなったのも無理はない。平成の30年間、日本は世界の主要国のなかで最も経済成長をしなかった国であった。
ここで世界経済の潮流を振り返ると、東西冷戦が終結した1989年から始まった平成時代の30年は、世界的に、①グローバリゼーション、②インターネット革命、③金融主導の3つの潮流に特徴づけられる30年であった。90年代にはアメリカが世界の資金循環センターとして君臨し、21世紀に入ると、今度はオープンでグローバルな枠組みのもとで中国が著しく台頭した。08年のリーマンショックで、アメリカが先導した③の金融主導は転換期を迎える。
いずれにしても、日本がこれら3つの世界の潮流に乗れなかったことが、30年間の日本経済停滞の大きな原因だと総括できる。では、現在の、そしてこれからの世界の潮流は何なのか。日本はそれをうまく活用して自国の勝ちポジションを獲得できるのか。
現時点で、平成の30年の世界を支配した①、②、③のそれぞれについてみると、①のグローバリゼーションは世界を米国と中国が分断してそれぞれをブロック化する動きへ、②のインターネット革命はブロックチェーン革命へ、③の金融主導は電子データ主導へと、逆転あるいは転換する中で、日本は令和時代を迎えることとなった。
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かつて、世界の戦略分野は、石油や食料、あるいは金融であった。それがいまや、経済の最大の付加価値の源泉は電子データとなっている。これを支配するのが米国勢のGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)と中国BAT(バイデュ、アリババ、テンセント)といったプラットフォーマーたちだ。前者が自由経済と個人情報保護、後者が国家主導でのデータ管理というパラダイムの根本的な違いから、世界には、主権国家vsプラットフォーマーvs中国勢という三つ巴の対立構造が生じている。
GAFAにネットフリックスを加えてFAANG(ファーング)とも言われるが、彼らの売上高だけで日本のGDPの3分の2を超える。まさに、電子データを制する者が世界を制する世の中で、プラットフォーマーが存在せず、米国や中国などに比べても電子データ化(デジタルトランスフォーメーション:DX)に大きな後れをとっているのが日本だ。何をするにしても寺銭を取られるのみの存在になりかねない。
しかし、希望がある。その日本が国際社会のなかで経済面で一定のポジションを得る道を考えるとすれば、それは、未だ黎明期にあるがゆえにチャンスと捉えるべきブロックチェーン技術である。これを社会の各分野の課題解決に実装することに先手を打つことで、医療や介護、物流、金融、地方自治、登記や公的な制度…等々、それぞれの分野の特性に合った技術やシステムのイノベーションを起こし、そこから世界の課題解決プラットフォームを次々と構築する。それによって各分野での世界標準を日本が生み出していく。日本新秩序が世界新秩序に…。これが日本の採るべき道だと考える。
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この点では、「課題先進国」といわれて久しい日本には、質の高い産業や情報の蓄積があり、工学力や現場力も十分である。個々の日本人が広く具有する創意工夫の力といった強みもある。ブロックチェーンの論理を応用することで、新たな社会モデルで世界の範となる日本らしい「自立」と「合意」と「和」の仕組みを創出する国になることが十分に考えられるのである。ブロックチェーン革命で日本はプラットフォームをとれる!

●ブロックチェーン革命で世の中が変わる
ブロックチェーンはビットコインの実装のために開発された技術という経緯があり、もともとは「インターネット上に構築された価値交換のための基盤技術」だと位置づけることができる。しかしながら、ブロックチェーンから独立して新たな技術が開発されており、ビットコイン以外のアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨の総称)も数多くある。
その代表例といわれるイーサリアムでは、通貨価値以外の任意の手続きを実現する「スマートコントラクト」が、すでに実装されている。スマートコントラクトにより、ブロックチェーンは価値交換だけの基盤技術ではなくなった。
ここでブロックチェーンの社会実装で何が起こるかを解説してみたい。
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そもそもブロックチェーン技術とは、①電子データを改ざんできないよう管理する技術であるだけでなく、②スマートコントラクトを内装することで各種の手続きや契約などさまざまな用途に電子データを活用できる技術であり、③ユーザーがトークンでアクセスしてこの仕組みを利用するものである…これらの「三位一体」でこそ、従来はほとんど不可能だった便利さや効率など各種のメリットを実現することになるものだ。
このなかで②のスマートコントラクトに、ブロックチェーン技術のイノベーションの中核がある。③のトークンは、広くユーザーが保有する。ブロックチェーンで管理された電子データと結びつくことで、これをお金のようにも使えるし、いろいろな手続きや契約なども、このトークンによるお金の支払いと同時一体でできることになる。
社会のさまざまなデータは、たとえば医療なら医療、年金なら年金、不動産登記なら不動産登記…といった具合に、それぞれのシステムごとに、それぞれの論理に従って管理されてきた。制度やシステムや仕組みが主役、データはそれに従属するものである。
ブロックチェーンは、ユーザーのニーズに応じて、その論理と電子データが結びつくことで、システムを超えて(システム透過的に)各システムを動かすことになる。そこでの主役は各システムではなく、電子データであり、それをトークンを用いて利用するユーザーである。
「松田プラン」では、政府暗号通貨「デジタル円」が、ここで言うトークンだ。政府に関係する公的な制度や仕組みをブロックチェーン管理に移行すると、このデジタル円で、納税や各種の公共料金、手数料などの納付が、それに必要な手続きと一体で行われることになる。あるいは、社会保障関係を始め政府が提供するさまざまな公共サービスが、デジタル円を通じて国民と結びつくことになる。
大事なことは、その際に、特定の目的のために必要な各種の手続きや、それに伴って提供される各種の公共サービスが、デジタル円の使用で一発で実現することである。
ユーザーの論理に従って各種システムが動くことで便利な世の中が実現することについては、引っ越しの例を挙げてみると、引っ越しに伴って必要な各種の手続きが、それぞれの役所や機関などでブロックチェーンで管理されている電子データと共通のプラットフォームで結びついていれば、デジタル円が引っ越しという論理でこれらを一挙に動かすことになるであろう。
デジタル円は法定通貨としてのペイメントトークンであるが、政府だけでなく、自治体や民間の各種団体、企業、あるいは個人が発行するユーティリティトークンでも、ブロックチェーンは同じようなことを可能にするはずである。それは、それぞれのサービスと結びついたユーティリティトークンが、ブロックチェーンの共通のプラットフォームで発行されることによって実現する。
いずれにしても、ブロックチェーンが提供するさまざまなサービスなどのユーザー側は、トークン(暗号通貨)でブロックチェーンを利用することになる。これによって、一連の手続きと価値移転がワンストップで行われ、その信頼性の管理も不要化する。
つまり、ブロックチェーンとは、これを社会の仕組みに実装することで、①情報管理や情報の安全性と信頼性、②ユーザー(国民など)の利便性、③効率性(コストの大幅削減)などの面で、従来、実現が現実的に不可能(もしくは高い難易度)だったことを実現する技術なのである。
今後、経済活動でも政府や行政との関係でも「トークンエコノミー」が進展していくと思われる。ビットコインに代表される「仮想通貨」は、価値移転などの分野でブロックチェーンの国家にも勝る威力を示唆した。これが「手続き」と結びつき、より高度なセキュリティ技術が実装されるなどのイノベーションとも相まって、いずれ新世代の暗号通貨が誕生することになるであろう。それが高度なセキュリティや利便性などを十分に実現することになれば、これからの社会システムにパラダイムシフトをもたらすことになると予想される。

●自治体発行地域通貨と地域ユーティリティトークン
ブロックチェーンを社会の各分野に実装することで、例えば、現在進められている「働き方改革」などもスマートコントラクトがサポートすることになるなど、日本が抱える各種の課題解決に大きく資すると期待される。特に、行政関係分野にブロックチェーンを実装することが大きなメリットを発揮する分野を挙げれば、思い付くだけでも次のようなものがある。
…働き方改革をスマートコントラクトがサポートする、日本に受け入れる外国人を完全管理する、医療・介護・福祉をシームレスな仕組みに変革して社会保障の効率化と効果の向上や国民負担の削減を図る、港湾を始め物流全体を効率化する、不動産や法人等の登記の信頼性と利便性を抜本的に向上させる(所有者不明の土地の管理や有効利用を促進、登記の完全管理を通じて国家安全保障の土台に)、地方創生(ブロックチェーン都市宣言をする自治体が増えている)…等々…
ここで、地方自治でのブロックチェーンの可能性について考えてみたい。自治体の行政側がさまざまなデータをブロックチェーン管理し、これとスマートコントラクトで結びつくトークンを発行すれば、このトークンが、自治体発行の便利なユーティリティトークンとしての「地域通貨」になる。
それは住民にとっての利便性の増大とともに、行政の効率化ももたらすであろう。行政サービスの申請者や申請内容の真正性のチェックを始めとする細かい手続きや、書類の整理・管理に明け暮れていた地方公務員たちはルーティン業務から解放され、人間にしかできない付加価値の高い仕事に特化できるようになるものと期待される。
地方自治体で考えられるブロックチェーンの活用例を考えれば、すぐに思い付くものだけでも次が挙げられる。
通常業務として、①文書管理(公文書管理、不動産登記、医療・介護データ管理など)、②出生や生存証明、身分証明、マイナンバーなどの個人情報管理、③税金支払い、④電子投票など…。
地域活性化策として、⑤道の駅、名所旧跡、観光スポット、お食事処、宿泊施設などの施設、⑥特産品などの認証制度や流通販売、⑦ふるさと納税(寄付)、⑧その他の各種サービスやイベントなどでの使用…。
これらは、自治体がユーティリティトークンを発行し、住民がこれを利用することで、納税やさまざまな手数料などの支払いを行政手続きと一体化してワンストップ化したり、あるいは地域の施設やイベントなどに活用する場合を想定したものである。
何もこうしたトークンエコノミーは「地域通貨」に限られるものではない。「松田プラン」は、これを国全体で実現するものともいえる。どこかの自治体で地方での取り組みが先行すれば、「松田プラン」も、一般の方々にとって、もっとイメージしやすい提案になるかもしれない。

●資本主義社会の外側にもう一つ、協働型コモンズ社会
ブロックチェーンのメリットについてご理解いただければ、次は「みらいのお金」の話になる。ユーティリティトークンを、もし、小さな団体や個人でも発行できる世の中になれば、その社会は、市場での競争で利潤をあげることだけが価値ではなく、人々のそれぞれの生き甲斐をみんながサポートする社会になるであろう。
それは、自分の利益のことだけでなく、他の人々のためを考える利他の精神が、自分のお金になって返ってくる社会だ。市場では価値として成り立たなかったような営みでここでは経済的な裏付けが与えられ、多様な価値が社会に花開くことになるはずである。
それは、特定の権力機構に従属することなく、価値観を共有する人々とともに、自分らしい人生を謳歌しながら生きていける社会でもあり、正直者や頑張る者が評価され、報われる社会でもある。情報技術の急速な進展は、人々が想像できないほど、人類社会の姿を変えていくと考えられる。
人類社会は大きく2つのシステムに分かれ、両方が並立する社会になるであろう。
一つは資本主義経済の社会。もう一つが、この「協働型コモンズ」の社会。それぞれ異なる論理で営まれる社会である。資本主義社会の論理は競争だ。しかし、人間には競争だけでなく、もう一つの生き方がある。みんなで助け合って協調する生き方である。
それが協働だ。コラボレーションとか「コラボ」などとも言われる。協働型コモンズは、その名前のとおり、協働が大事な社会である。資本主義は利潤が重要であるが、協働型は人間的な、あるいは社会的な価値が重要になる。利潤や金儲けなどを超えたさまざまな価値が花開く社会である。
現在の資本主義社会では、お金は利潤のあるところに生まれる。それは資本主義経済の仕組みがそうなっているからだ。多くの方々がお金は日銀(中央銀行)が供給していると考えていると思うが、それは正しくない。最近の日本の異次元の金融緩和政策もそうだが、日銀は日銀当座預金という帳簿上のお金を増やすことはできても、それは私たちが手にできるお金(市中マネー)ではない。
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現在の法定通貨というお金を生み出しているのは、市中の銀行である。まさに銀行だけができる「信用創造」によってお金が生まれる。銀行は利子をつけてお金を返すことができる先に対してお金を貸し付けることが基本的な業務だ。それは、銀行の貸付先がその銀行に持っている預金口座に電子的にお金を記帳するかたちで行われているものである。それによって預金通貨というかたちでお金が生まれている。日銀が供給したお金を原資として貸し付けに回しているのではない。
このとき、銀行がお金を貸す相手は、金利をつけて返してくれる相手だけである。金利をつけて返済できるためには、貸付先が借りたお金で金儲けをしなければならない。儲けるところにしかお金は生まれない。これが資本主義社会のお金だ。そうして生まれたお金から税金など、利潤を生まない用途へとお金が回っていくことて社会が成り立っている。基本は、儲け無きところにお金無し、まさに資本主義の論理なのである。
しかし、社会には利潤の論理とは異質の様々な価値がある。例えば、助け合いだとか、社会貢献だとか、芸術だとか、いろいろなクリエイティブな活動等々だ。市場ではペイしないけれど、わかってくれている人たちがサポートしてくれるような価値である。
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●人々の生き甲斐を支え合う社会がこうして生まれる
そのような価値は、これまで、埋もれてしまっていたものが多かったであろう。なぜなら、資本主義の利潤原理、お金儲けの論理の世界では、それが経済的な価値として評価されず、その価値を生み出す活動自体に経済的な裏付けが与えられなかったものが極めて多いからである。
ユーティリティトークンであれば、それが認められ、発展させられるようになる。
ある人が自分が生み出す価値を表現し、それに賛同する人がお金を出す。どんな価値でもかまわない。その価値を評価し、支援しようとする人がいればOKだ。その方々が「いいね」をすることでお金が生まれる。これが「みらいのお金」である。
この社会は、一人一人の価値が認められる社会である。インターネットを通じて広い社会とつながれば、その価値を認める人も多く現れてくる。思わぬ国の人が、あなたの活動の価値を認めるかもしれない。
詳細は、私が昨年春に上梓した「いま知っておきたい『みらいのお金』の話」(アスコム)をお読みいただければと思う。

●【政府暗号通貨「松田プラン」シリーズ…バックナンバー】
第7回 アフターコロナ経済危機対応に不可欠な政府発行デジタル円
https://ameblo.jp/matsuda-manabu/entry-12610511066.html
第6回 そもそも国債とは何なのか…赤字国債を退治するMMPの意味
https://ameblo.jp/matsuda-manabu/entry-12608953969.html

第5回 「マイナンバーが諸外国並みになれば、こんなに便利な世の中に」
https://ameblo.jp/matsuda-manabu/entry-12607168836.html

第4回 「マイナンバーと結びつくデジタル円で経済対策も大きく変わる」
https://ameblo.jp/matsuda-manabu/entry-12600751401.html

第3回 「デジタル円はなぜ政府発行でなければならないのか」
https://ameblo.jp/matsuda-manabu/entry-12587220244.html

第2回 「国の借金をお金に変える政府暗号通貨「松田プラン」の概要」
https://ameblo.jp/matsuda-manabu/entry-12583865760.html

第1回 「日銀保有国債が返済不要な債務になっているカラクリとは!?」
https://ameblo.jp/matsuda-manabu/entry-12580608352.html

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プロフィール

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Author:matsuda-manabu
松田政策研究所は、松田学を中心とした講師・研究員が、これからの日本の未来に関する国家像や社会の在り様について総合的な調査・研究 を行い、夢を持てる国づくりの基盤を創り、社会と国家の発展に寄与するのが目的です。

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