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動画ろんだん@松田政策研究所⑱~(特集)当事者たちが語る日本の防衛、安全保障政策(その2)~

最近では危機管理の議論はもっぱら新型肺炎に集中していますが、そもそも日本は軍事面での危機管理は大丈夫なのか。実は、日本が今回の事態に的確に対処できていない背景として、感染症のような事態にもいざとなれば軍が対応するのが各国の通例で、軍事の仕組みも発想も乏しい日本政府の手に負えない面があるという指摘もあります。
リアリズムを標榜する松田政策研究所では、防衛・安全保障というテーマについても繰り返し発信を続けています。すでに、(その1)で、この分野の専門家である4人の方々との対談をご紹介しましたが、その後、昨年末から今年にかけて、5人の方々と対談いたしました。

(その1)については、こちらからご覧いただけます↓
https://ameblo.jp/matsuda-manabu/entry-12545870667.html

今回、登場するのは、現職の政治家として、いずれもテレビなどのメディアでもお馴染みの自民党の国会議員である、佐藤正久(元外務副大臣)と松川るい参議院議員に、政府与党の外交・安全保障政策の現実を語っていただいています。また、これもメディアでは著名な軍事アナリストである小川和久氏には、日米両国ともまだ認識が十分ではない日米同盟の本質などをリアルな視点から論じてもらっています。加えて、安全保障の土台となる憲法のあり方については、兵法の専門家である家村和幸さんに語っていただき、永田町一の軍事知識で知られる中丸啓発・元衆議院議員には、防衛予算のあり方や最先端の情報技術を活用した安全保障体制の構築を提案する「中丸プラン」について発信していただいています。最後に、これらの一つのまとめとして、私、松田学が一人語りをいたしました。

●<対談>佐藤正久(参議院議員、元外務副大臣)「2020年日本の安全保障環境を考える。」
憲法に「自衛隊を置く」と規定するのは国家主権を明確にするため…。かつて「ヒゲの隊長」で親しまれた佐藤正久・参議院議員(元外務副大臣)と、日本の外交安全保障について対談しました。治安を守るのが警察、他国も主権を守るために憲法に軍隊を書いている、いまの自衛隊は警察が大きくなったもの、主権を守るなら、正々堂々と主権を守るための憲法改正を考えてほしい…。
以下、対談の要点です。

・韓国…日本は原理原則を大事にしてぶれないこと。日本が折れる悪弊は絶対にやめるべし。韓国側が一方的に問題を作ってきた。特に韓国側は保守派と進歩派で考えが違う。前の政権を否定すると外交が成り立たない。左派進歩派政権になると国防費が増える。今や日本を抜きそうな軍事費。彼らからみて在韓米軍は邪魔。自主防衛に走る。保守派は米韓同盟。在韓米軍がいなくなると日本の防衛に大きな影響。今年はそういう視点から韓国を見るべし。

赤化統一は難しいが、進歩派政権のもとでは南北が近づく。韓国は日本を射程にした弾道ミサイルを既に持っている。文政権は中国にどんどんすり寄っている。中国は朝鮮半島の主導権を握りたい。韓国は二重依存のジレンマ。経済力をもって中国は自国の外交目的を韓国に対して発揮しやすい状態にある。日本も中国に依存していくと同じことが起きかねない。韓国は自分の教師、他人事ではない。もともとGsomiaに文政権は反対。破棄は公約だった。日本の貿易管理は良いタイミングだった。誤算は、米国の評価を見誤ったこと。米国は日本を説得しなかった。トランプからみて安倍をとるか文をとるか。もともと無理。ムーディーズがとどめを刺した。97年と同じ通貨危機の悪夢。米国が資金を引き揚げたら総選挙はうまくいかなくなる。

・北朝鮮…ハノイで分かったのは、ある程度実務レベルでの詰めが必要だということ。北は恥をかかされた。この2年間、核ミサイル能力開発の時間を与えてしまった。短距離ミサイルも含め、ほとんど成功。米韓合同演習をしていないことで、ものすごく抑止力のレベルが低下。北は大喜び。北との交渉は、オープンエンドではダメ。エンドの出口を決めないと、昔来た道になる。

・中国…米国も中国の海洋進出を警戒し、第三列島線まで意識している。それはハワイ。習近平の太平洋東西2分割と同じ。太平洋諸島が次々と台湾から中国に。オーストラリアで分断。南シナ海は、第一列島線の内側に米国を入れないための聖域化。SLBM、射程9,000キロ。ハイブリッド戦について、日本は反省すべし。科学技術の戦略が弱かった。日本政府はきちんとお金を投資すべし。情報インフラ抑えられると、通常兵器の前にやられてしまう。

・習主席の国賓待遇国賓…なぜなのか、国民に説明すべし。国賓とは天皇陛下のお客様。いま国民が歓迎する環境か?4つのとげ。①尖閣。公船がすごい勢いで。逆だろう。➁日本人の拘束。③日本食品の輸入規制。④香港、ウイグルの人権問題。人権とは内政ではなく、国際問題。これらを抜く環境情勢をいかにやるか。

・イラン…日本はあくまで中立性。有志連合にも入らず、欧州連合にも入らず。哨戒機を出せ、ヘリコプターを載せる護衛艦を出せるのも日本と米国だけ。情報を有志連合と交換する。情報を日本の関連船舶に。海域も外側。

・自衛隊…いちばんの悩みは募集、人が集まらないこと。予備自衛官などは半分しかいない。予備がいない戦は負け戦。自衛隊に合格しても来ない。警察消防と比べても。家から通える職業でない。携帯使えない…。

・専守防衛…専守防衛は幅が広い。敵基地攻撃も入る。攻撃的抑止ができないのが大きなネック。相手国が攻撃しても意味がない、やると大変な目に遭うというのが抑止。日本海に北がミサイルを撃つのも、舐められているから。守りはお金がかかり、キリがない。スカッドやノドンならイージスアショアも必要だが、中国のハイパーソニックやイスカンデルタイプは守れない。米国に全部任せるのでなく、憲法の範囲である程度やらないと。

・今年の課題…次期主力戦闘機を国産で目鼻をつけること。象徴的なことになる。日本に装備品がない限り、米国から高く買うしかない。逆にどんどん日本は撤退している。戦車も日本で作れなくなる。技術の世界では軍需と民需のボーダーがなくなりつつある。航空機のカーボンも、クルマの衝突防止装置も…。日本のイノベーションにも関わる。

…どの論点にも明快なお答え。日本の国防の現状を知る上で、ご一読ならぬ、ご一視聴をお勧めします。

●<対談>小川和久(静岡県立大学グローバル地域センター特任教授・軍事アナリスト)「日本の安全保障の選択肢は2つ!日米同盟を正しく活用せよ!」
イランはもともと冷静な国なので暴発はない。米国もそう。そこに日本も絡んでいる。安倍総理はイランとは特別な関係。そもそも安倍総理はどんな政治家なのか…?軍事の実態と安倍政権の内情にも通じる軍事アナリストとして著名な小川和久氏との対談です。
日本の安全にとっての選択肢は、①日米同盟か、②どことも組まない武装中立か。しかし、②だと、今のレベルの安全を日本だけで築こうとすると防衛費は5倍必要。核武装も必要になるが、それが現実にできる状況は日本には無い。①の日米同盟も、日米ともにきちんと研究していない。それは、日本よりも米国にとって死活的に重要。在日米軍の重要性を皆さん知らない。
日本国内に米軍基地は80何か所、それで喜望峰まで米軍は活動できるようになっている。巨大な軍事力を展開するには3つの要件が必要。①ロジスティクス(兵站)、②インテリジェンス(通信傍受機能)…ファイブアイズと言われるエシュロンの中心的な拠点は三沢にある、③出撃機能。この三位一体が米国以外にそろっているのは日本だけ。抑止力のためには、そのような同盟国がカリフォルニアと同じだと言わねばならない。日本は対米交渉で、これを高く売らねばならない。米国兵器を外交的配慮で高く買っている?日本側には値切る能力がない。かつて、財務省だけがその能力を示したことがあるが…。その上で、小川氏は防衛省も知らない武器調達の裏話を披露しています。
米国が日本を見捨てるのでは?という議論の根底にあるのは、日本が米国に一方的に守ってもらっているという認識。
改憲については、9条は日本国憲法違反。「木を見て森を見ず」の議論多し。9条が日本国憲法の性格を決めているのではない。決めているのは前文。世界の平和を実現するために行動すると前文に書いてある。最低限、PKOができないとならないが、今の防衛力ではそれには不十分。憲法の完成度を高めるために前文の趣旨を実現できるよう、個別の条項は改正しなければならないもの。
専守防衛と言っても、役割分担で日本は何をやるかで米国と同意しなければならない。攻撃型の原子力潜水艦と、攻撃型の航空母艦。これは自立的な戦力で、米国は日本に持たせない。巡航ミサイルが日本の防衛には必要だが、引き金はあくまで米国が持つ。非核三原則と言うが、いざというときに持ち込めるようにしておく必要。敵基地攻撃論は、出口を考えていない議論。それなら米軍にやってもらうべし。米国の攻撃力を発揮してもらうような自衛隊になっている。
安倍政権には、国民に自衛隊の適正規模を国民に問いかけることをレガシーとしてやってほしい。
…いずれにしても、日米同盟の本質について、私たち日本人自身がもっと深く理解するところから、実効ある日本の安全保障の答えが導き出されるようです。リアリズムに立った議論を、この番組でお楽しみください。

●<対談>松川るい(自民党参議院議員)「松川るい議員に訊く!日本外交かくあるべし!」
まずは日本自身がいまの危機をどう生き抜いていくかが大事。明治維新以来の自覚が問われている。外交官出身でテレビでもお馴染みの自民党の松川るい参議院議員と日本の外交安全保障問題を論じました。

米中新冷戦時代、米中いずれかの踏み絵を踏まされる状況にあって、日本の対中国スタンスは?基軸は日米同盟であることを中国に分からせることが米中新冷戦時代には大事。海洋国家、インド太平洋との連携で中国の脅威を自分の所に直接来ないように。しかし、中国は近隣だし、強大。中国をして日本との関係をよくしたいと30年ぐらい思わせる外交が必要。連携すべきところは連携するのが良いと思わせることが大事。
経済界の中国依存は仕方ない。しかし、依存は危険だという認識が大事。この時代に本当に分かれることはあり得ない。いつでも手を引ける、プランBが大事。機微な技術を抜かれないサイバーセキュリティが大事。
習の国賓来日は、香港デモの前に決めた。もちろん、今やけしからんであるが、いったん出した国賓待遇の取り消しは外交の現場では喧嘩を売っているようなもの。コロナにかこつけて、延期する、その間に、尖閣、香港ウィグル、日本人拘束者を何とかしろと…。期待を持たせつつ、プレッシャーで改善の梃子にしないと、ただ呼ぶだけなら意味なし。向こうに利用されるだけ。しかも、新型コロナで片棒を担ぐような印象を与える時期は避けるべし。オリパラ主催国として傷がつくなら延期すべし。
韓国が違法、徴用工は違法で不法な植民地支配のもとで起こったものだから請求県があるとしているのは、そんな国際法は存在しない。不法な植民地から出た請求権が永遠に消滅しないなら、いまのインドが英国に対して請求するのかということになる。
国際情報戦について指摘される外務省の問題はそのとおり。国際社会がどう受け止めるかを起点に表現を考えるべき。
根本的なところで日本は韓国に対して絶対に筋を曲げてはいけない。ただ、そうではないところでは隣の国だし、取引もしているから、改善はあってもよい。しかし、朝鮮半島にたくさんのリソースを投入しても意味ない。
英国のEU離脱は、日本がアングロサクソン連合と組む上で重要なチャンスであるとの私の考えについても、松川議員は全く同意見でした。
地政学的観点からみて、コロンブス以降続いてきた海洋国家の時代が、大陸国家によって崩されそうになっている。特に英国は国力が落ちても重要な国。TPPに入り、安全保障面でも日本は連携すべし。
特に北極海航路のことを考えれば、シーレーンが北側にもう一つできるのであり、大西洋につながっている。英国との連携は地政学的に安全保障上重要。日本海は通り道になるという意識で防衛ラインを考えたほうが良い。
日本は専守防衛でよいが、その意味は、相手国から攻撃されていないのに攻撃することはしないということに尽きる。通常兵器で、あなたが撃つなら、こちらはやるよ。
敵基地攻撃論は古い。どこから来るかわからないミサイルをどうするか。自分からは撃たないが。撃つなら撃つ。核兵器については拡大核抑止が成り立っているが、通常兵器はそうではない。米国は本当にやってくれるの?北のミサイル技術の向上は著しく、普通の国のように通常兵器の面でやる。
サイバーも脅威が明確なら攻撃して良い。手段は攻撃でも、サイバーの世界では防衛的にやっているということで良いはずだ。竹槍時代の議論を持ってこないでほしい。
核抑止も万全ではない。大事なのは中国や北朝鮮のパーセプションの問題。およそ抑止力とはそうである。そのような認識をさせられるレベルまで日米同盟の強固さを示す必要がある。
…このように主張する松川るい議員は安倍総理のお気に入りと聞いていますが、頭脳明晰、論理明快な保守論客として、大いに期待できそうです。

●<対談>家村和幸(日本兵法研究会会長)「人類の歴史は戦争の歴史!平和の為にも憲法9条改正はすべきである!」
「戦わずして勝つ」という孫子の兵法の有名な言葉がありますが、兵法や軍事の専門的な立場から日本国憲法のあるべき姿が論じられることは意外と少ないように思います。
今年は改憲論議の年。松田政策研究所では「兵法」の専門家を招いて、平和と国益を守るための憲法のあり方について、基本から議論を組み立ててみました。
人類の歴史とは戦争の歴史である。国と国との利害をめぐる対立を当事者だけで解決せよというのが今の国際社会。国という単位を超えた権力は存在しない。パクス・ロマーナは周りの国をすべて併合したから平和が続いたもの。江戸時代の「パクス・トクガワーナ」も、徳川に逆らえないよう紛争抑止機能をつくったから平和が続いたもの。
日本の戦後70年続いている平和は、ある意味、戦わねばならないものを放棄したから平和だったもの。例えば、北朝鮮に何人拉致されているか。救出作戦をするのは本来、国家の義務。領土もそう。北方領土、竹島…。漁民も何人も射殺されている。本来なら国権の発動をすべきものを、それを放棄してきたにすぎない。
国益はとられ放題。それに目をつぶってきたことが、平和だったという言葉で騙されてきた。国家に値することを日本はやってきたのか。国家の土台が侵食されている。戦争と同じぐらいの国損がすでに発生してきた。
では、外交的努力で解決?しかし、それも軍事力あってのもの。軍事力のない国に外交力はない。スイスの永世中立も外交力を保てるだけの軍事力があるから。外交とは、持っている軍事力を行使させないこと。外交と武力は一体である。
9条は必ずしも悪いことを書いていない。「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求する」…と書いてある。書いたからには、日本がそれを創り出す努力をしなければならない。本来は、国連かやっている集団安全保障に日本も取り組まねば自己矛盾になる。
戦力不保持を謳っている9条のもとで、20何万の自衛隊が解釈だけで成り立っている。まずは、それがいかにもおかしい。「自衛隊を置く」と規定するのは入口。しかし、それだけでは済まないものである。
集団的自衛権については、同じ敗戦国であるドイツがNATOで行使できるようになっているが、ドイツと日本では置かれた環境が違う。欧州は日本の戦国時代と同じような戦争を繰り返してきたところ。しかし、日本と集団的自衛権を組む国は周辺にはあまりない。米国と台湾ぐらい。民主主義と価値観を共有する国は、あとは東南アジアになってしまう。韓国の現状をみると、組めない。領土問題を抱えている。NATOは東アジアにはあり得ない。
日本の場合は、9条1項を前提にすれば、集団的自衛権というよりも、国連の集団安全保障であり、それはイコール日米同盟ということになる。集団安全保障において日米同盟で、ということができる憲法にしなければならない。国と国を超える力がないと戦争を回避できない場合は、日本が加担するのはおかしくない。9条に書いてある以上、責任を取れということになる。
自衛隊は現実には、相当な軍事力であるが、憲法のもとでは動けないと、どの国も思っている。
…対談を通じて感じたのは、考えてみれば、平和とは「戦わずして勝つ」状態であり、そのためにこそ、いざというときには軍事力を行使できる国であらねばならないのではないかということです。軍事力といえば、今回の新型コロナウィルスもそうですが、どの国も国家の危機管理となれば、軍の所管になるようです。そもそも「軍」という国家システムが欠如し、軍事という発想が存在しないことが、さまざまな面で日本の脆弱性につながっているのかもしれません。

●<対談>中丸啓(元衆議院議員) 「日本の防衛費1%の根拠は?安全保障の”中丸プラン”とは?」
財政や通貨に「松田プラン」あれば、国防や諜報に「中丸プラン」あり!!!国防のことはやはりこの人に…。これだけの知識を持つ人は永田町になかなかいません。よくGDP比2%論が言われますが、現実の数字として積み上げられる根拠はありません。いまの1%も?むしろ、戦わずして勝つ「孫子の兵法」を…。その内容はぜひ、この番組をご覧ください。
国防の主戦場はいまや情報技術に…。中国がAIやビッグデータを駆使して仕掛けるハイブリッド戦に対抗する意味でも、日本は内閣の中枢に高度情報技術に基づくブレーン機能を構築する必要があります。データ分析に基づいた緻密な判断で総合的な戦略を構築し、戦略目標の達成を最小のコストと最大の効果で狙う。軍事力の行使はその中のオプションの一つに過ぎない。日本が専守防衛を貫くなら、情報技術武装がますます必要…。諜報機関の創設は極めて大事ですが、実際にはヒューミントの育成には膨大な時間を要するなど、即戦力の上では実効性が乏しい面があります。ならば、中丸プラン。松田プランもそうですが、いまや、情報技術を始めとするハイテクへの知見なくしては国政を論じられない時代になりました。

●<一人語り>松田学「【ニュースを斬る!】日米安保改定60周年、これからの日米関係を考える」
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Author:matsuda-manabu
松田政策研究所は、松田学を中心とした講師・研究員が、これからの日本の未来に関する国家像や社会の在り様について総合的な調査・研究 を行い、夢を持てる国づくりの基盤を創り、社会と国家の発展に寄与するのが目的です。

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