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動画ろんだん@松田政策研究所⑨~(特集)警世の対談シリーズ…ズバリ日本の課題を語る~

平成の30年間、いったい日本は何をしていたのか。ご即位の礼、陛下のパレードを経て、日本は令和時代に本格的に突入しましたが、平成時代が令和時代に引き継いだ日本は、この30年間で主要国の中で最も経済成長をしなかった国であり、令和時代入った直後の台風被害でも露呈したように、自然災害に対する備えや危機管理が不足している国でした。若者たちの最大の関心事は「老後のこと」、人類史上初めて迎える超高齢化に対しても、人々の将来不安を拭えるだけの課題解決モデルを生み出すには至っていません。
では、何が問題だったのか、それをどう克服すべきなのか、新時代を創るために日本は何をすべきなのか…。これは松田政策研究所チャンネルの基調となるテーマですが、今回はそこから以下、6本の動画をご紹介します。各界の6人の論客たちが、日本を語ります。

1.危機管理のできない国、日本…日本人は劣化した?
●考えない病、日本人の劣化の根源、日本人はなぜ危機管理が出来ないのか?』<東祥三・元衆議院議員、千葉科学大学副学長>
危機管理とは管理できないこと。「最悪の事態」とは、今からみて過去に起きた最悪の事態。危機とは想定外の事態であり、日本にはその発想が欠けている…。元衆議院議員の東祥三先生は現在、日本では数少ない危機管理学部を置く大学である千葉科学大学の副学長をされています。憂国の壮士が語る日本の「病」…。
東祥三先生といえば、公明党、新進党、最後は小沢一郎氏のもとで「国民の生活が第一」の幹事長をされた元衆議院議員ですが、現在は、危機管理や防災などの分野の論客としてご活躍されています。私とは総合危機管理学会で再開しました。
戦後、大事なことは米国が考えてくれる…となったからか、日本の生来の国民性によるものなのか…、日本人は自分の頭で考えなくなってしまっている。日本人はシステムを作るのがヘタ、米国が作ってくれるから、その構成要素を作るのは上手い、日本のメディアも論者も現場を知らない、「水を差す」ことができる人が少ない、直感知の能力を教育していない…。ズバリ、こんにちの日本の問題を明快に直言しています。
災害が一層多発する日本のあるべき対応は…、やはり、3・11の教訓を踏まえてシステムを創ること、しかし、合理性ではなく超合理、冗長性が求められている。ますます不確実になる世の中で問われるのは自らの人間力を鍛えること。
今回の台風被害が提起する諸問題を考える上でも参考になる警世の対談です。
2.経済人としてモノ申す:日本経済はなぜこんなにダメになったのか…転換期の処方箋
●日本はなぜIT化が進まないのか?<横塚裕志・(社)情報サービス産業協会前会長>
平成の30年間、日本の産業界は何をしていたのか…と言えば少し失礼かもしれませんが、主要国の中で最も経済が成長しなかった国が日本だったのは事実。リアリズムを重視する松田政策研究所としては、産業界の現場からの視点で、日本の停滞の実情や今後の企業社会のあるべき道行きについてナマの声を発信してみました。IT業界ではトップ団体とされるJISA(社・情報サービス産業協会)の前会長である横塚裕志さんです。
横塚さんは私が取り組むIT関係の事業でも何かとお世話になっている方ですが、まず、日本のIT業界そのものが既存のメインテナンスにとどまり、イノベーションが停滞する中で米中のはるか後塵を拝するに至っています。ここに社会的課題解決で新しいフロンティアを拓き、今や競争力の源泉となった日本のIT力を高めようとする私の取り組みにおいて、横塚さんとは意見がピタリ一致、対談にお呼びしました。本質的な問題はどこにあるのか、今後、どうしていくべきなのか…。
世界は大きな時代の転換点に立って、新しい時代の始まりが始まっている。社会のニーズに即して人々が直面する課題の解決からテーマを見出し、それをビジネスとする時代になった。顧客が真に欲しい価値、解決したい課題をビジネスにする。金儲けを求めるのではなく、自社の社会的価値と自らの存在意義は何なのかの定義から始めることで初めてチャンスが生まれる時代になった。
「自分は何のために生きているのか、自分は何のために働くのか、自分は世界の中で何に貢献するのか」へと社員のマインドセットを変える、そのための組織設計の変更が急務…。日本の経済界のみならず、日本の社会全体に対する警世の対談になりました。
●今の日本に必要な”志”とは?~civilsocietyの活用~<佐藤玖美・コスモピーアール株式会社代表取締役>
ズバリ、日本経済がパッとしないのはなぜ?現場を知る企業経営の第一線の方々から順次、辛口の切り込みをいただいています。日本語より先に英語が出てきそうな米国籍の日本人?コスモピーアール代表取締役の佐藤玖美さんから、グローバルな視点で話していただきました。
佐藤玖美さんとは、もう15年以上も前から、医療問題を中心に、社会システムアーキテクトの横山禎徳さんを囲みながら談論風発するサロンのような勉強会を続けてきた仲です。御祖父が松田竹千代・元衆議院議長、お母様が社会事業家として著名な故・松田妙子さん、政治家や大蔵官僚などのサークルの中で育ってきた方で、その視点からみて最近の日本の政治家や官僚は、「昔のような志が欠けている!!」。
佐藤さんは、米国の大学をご卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ニューヨーク支社に入社、現職に就いてからは、在日米国商工会議所(ACCJ)で活動し、会頭を務め、現在は名誉会長です。その視点から日本企業の問題点は、「ユーザーを向いていない!!」、消費者起点で部門横断的にビジネスを考える営みが欠如していることが、日本が世界のマーケットから置いていかれた原因なのは、確かにその通り。
日本の課題として、まさに志が社会を支える「civilsociety」を提案しています。例えば難病対策など、社会にニーズのある課題に対して企業でも政府でもない「第三の矢」として個人がパブリックのためにお金を出し、支援していく。欧米で定着した非営利活動こそが、日本に新しい道を拓く。これは私が財務省在官時に出版した「競争も平等も超えて」という著書でも世に問うた考え方と重なります。当時、私は、日本の凍結した金融資産をフローのマネーとして回すソリューションとして、官でなく民が支える「公」の価値を通じた日本の再設計を唱えておりました。
ただ、その担い手について「市民」という呼称はしっくりときません。では、何と呼ぶか。私と同じく横山禎徳さんの「不肖の弟子」どうしとして、今後、一緒に考えていくことになりました。経済界の方々との対談、今後も続けてまいります。
●経済は政治により成長する!地方自治が無い日本~立法爆発と日本型行政システムの弊害とは?~<渡瀬裕哉・早稲田大学公共政策研究所招聘研究員>
大手町や丸の内など、日本のオフィス街で働く大半の人々が日本の生産性を低めている!?平成の30年間、主要国の中で日本の経済が最も成長しなかった理由について、ズバリ、役所の規制への対応、手続きに民間が膨大な労力と時間の投入を強いられていることだと答えた渡瀬裕哉さんは、色々なベンチャービジネスにも携わってきました。
どの問題にも鋭く明快に一刀両断…鮮やかです。
曰く…どういう政治体制の下で経済が成長するかを日本は分かっていない…90年代以降の立法爆発で法律の数は2倍に…それが規制となってビジネスを阻害、スピードが落ちる…長時間労働をしていても生産性が低い仕事だ…結局、役所に適合する書類を書いている人たちが丸の内などでは大半だ、付加価値を生んでいる人たちの給料を抑えて、そちらに回っている、付加価値を生む人は当然、海外に出てしまう
…規制緩和は、したつもりになっているだけ、特に新しい事業の場合、規制との関係をどうしたらよいかは、役所も関連団体も、訊いてみても分からない、規制をグレーな形にしている、仕方ないから我々は天下りを受け入れる…会社に入れておくと用心棒になる、これは余計なコスト…日本の行政はベンチャーをやる人たちを怖がらせている。
行政の問題は、日本には地方自治がないこと…税率はどの自治体も同じ。そこには政治も民主主義もない、維新の最大の功績は、労使交渉をオープンにしたこと、既得権益を明らかにすれば、住民は分かる、役人にはムダの自己申告制を…。
米国のティーパーティーは日本では誤解されている、「小さな政府」を言っているのではなく、米国の起源を思い出そうという運動だ…彼らはふだん、合衆国憲法を読んでいる、米国では保守とは護憲派だ、合衆国憲法に忠誠を誓わずに入ってきているから不法移民を排斥しようとする、今や共和党全体に浸透した。
トランプが当選したのは、まぐれ…実は、トランプに投票したのは彼のバライエティ番組を見ていた人々、彼はタレント候補…トランプ氏自身の考え方は民主党に近く、今のトランプ政権は「ペンス政権」だ…だから、保守派の政策が実行されていく。
日本の政治を立て直す近道は、政党をシンクタンクにするために、実際には選挙に使われている政策秘書や政党助成金を全て、政党のシンクタンクに集めること…本来の使い道に、と、有権者が言えば、政治は変わる…「選挙は組織が、議員は国政を」との近代型政党を実現するためには、選挙区ごとに候補者を党員による予備選挙で選ぶ必要がある…今のやり方は党幹部が公認候補をおろしてくる民主集中制だ…それを民主化することで党員の参加意識を高めることが大事。
日本は外交を選択と集中で海洋国家軸に特化し、その中で圧倒的に強い国になることを目指すべし…。
さわやかなテンポの弁舌をぜひ、お楽しみください。きっと、「これは使える!」があると思います。
3.国民の政治参加:志の高い優れた各界の人材が政界に参入できない国、日本
●宇宙かあさんに訊く!日本の政治・行政、宇宙技術、そしてこどもたちの未来についてまで。<水野素子・JAXA宇宙航空研究開発機構調査国際部参事>
では、渡瀬氏が指摘した日本の政治の問題は、本質的にはどこにあるのか。それは政界への新規人材参入の困難さです。
本来は、各界から志の高い有能な人材が政界に参入しなければ日本の政治はまともにならないのですが、現実は全く逆。一般社会とはかなり異質で特殊な世界である日本の選挙を、社会の前線で活躍している、ごくフツーのお母さんが経験してみると、どう映ったか…。挑戦する企業、あのJAXA(宇宙航空研究開発機構)の立候補休職制度を利用して、先般の参議院議員選挙に東京都選挙区(国民民主党)から挑戦した水野さんと対談いたしました。
日本では「政治」というと何かいかがわしいもの…、企業社会では国会議員とて落選すると上場企業の役員にはなかなか迎え入れられず、政治とは距離を置くことが美徳、という風潮があります。これは日本の公民意識や社会の成熟度の遅れではないかとも思いますが、政治の世界を既得権益化させ、時代を先取りする課題解決能力を低下させている面があります。
ドイツなどでは公務員が選挙に出て、落選すればまた元の職場に戻れるようですが、日本では全てを捨てないと選挙には出られません。また、全てを擲って、というのが拍手喝采になります。しかし、有為な人材であればあるほど背負っている責任も大きいわけですから、当然のこととして、そんな博打をしてまで…となる。結果として、親からの地盤か地元での既得権益がある人以外は、変人か、金持ちか、超有名人しか政治に出ようとは考えない。私も選挙では色々な思いを重ねてきました。
水野さんには、市井のフツーの人の感覚に加え、海外経験、そして科学技術の最先端を担う組織人の立場から、日本はどうもここがおかしいという問題提起に加え、日本が世界の中で勝つためにはどうすべきか、そして、日本の未来への夢も語っていただきました。
私も色々と思いを述べておりますが、水野さんのご発言にはなるほど、と思える点が色々とあります。ぜひ、ご覧ください。
4.これから「多死社会」を迎えるのに、「死」をどう迎えるかの組み立てがない国、日本。
●超高齢社会をどう生き抜くか?日本人の死生観を見直す。母性資本主義のすすめ<藤和彦・経済産業研究所上席研究員>
経済産業省の官僚で、中東問題の専門家である藤和彦氏とは、ある討論番組のパネラーどうしとして知己を得ましたが、同氏はなんと、人間は「死」にどう向き合うかを「多死社会」となった日本の根本課題と捉えて活動をされている方でもあります。
日本は超高齢社会であるというよりも、これからは「多死社会」を迎える。しかし、日本人は他国に比して、「死」とか「看取り」という、誰にも訪れる人生の終末地点をどう迎えるかという課題に全くといっていいほど、向き合っていない。
死後、どうなるのかの哲学、思想は、その社会のあり方も決めます。各国の社会は古今東西、その答を宗教に求めてきましたが、戦後の日本では、こうした根本的な議論をオカルト、と、切り捨ててしまう傾向が強かったようです。特に団塊の世代がそう。彼らは唯物論。しかし、それより若い世代は少し違う。スピリッチュアルな話への関心が結構、高い。私の海外経験でも、そういう話題は世界的に、ごく日常的です。
人間の能力も、分析的な能力以外に、ケアする能力などさまざまなものがあり、近年の科学技術や経済の発展の一方で置いていかれたのは、こうした能力の向上。死をどのように肯定的に迎えるかに答えを出すことで、若者世代も経済全体も活性化する。少子化問題の解決もこの辺りにあるのでは?
藤氏は資本主義を超える次なる社会の考え方として「母性資本主義」を提唱しています。私が唱える「協働型コモンズ」とも共通する面がありそうです。
彼の著書「母性資本主義のすすめ」から、その目次を引用すると…・資本主義とは、・多死社会とは、・母性資本主義(困った人を助ける「母性」を生かす?)とは、・戦後日本人の死生観、・これからの家族の在り方、・認知症との付き合い方、・高齢化社会とAIの活用(介護の在り方)、・今後の日本社会が目指すべき方向性とは…。こうした議論や活動に真摯に取り組んでいる「通産官僚」がいるとは、大変驚きました。
対談は、かなり深い議論になりました。暗号通貨として私が提唱する介護のための「ボンド・ボンド」を、「看取りコイン」で実現してはどうか…。藤さんとは、この面で今後、連携していくことになりました。
新しい社会づくりに向けて、道を拓いていきたいと思います。
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プロフィール

matsuda-manabu

Author:matsuda-manabu
松田政策研究所は、松田学を中心とした講師・研究員が、これからの日本の未来に関する国家像や社会の在り様について総合的な調査・研究 を行い、夢を持てる国づくりの基盤を創り、社会と国家の発展に寄与するのが目的です。