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松田学の新著「いま知っておきたい『みらいのお金』の話」が発刊されました。

20190224
情報技術の革新がどんな未来を創るのか…。この分野での著作は3冊目になります。
松田学(著)「いま知っておきたい『みらいのお金』の話」(アスコム)。
2月23日から発売されています。

日本はブロックチェーン革命で世界を主導する国になれる…。仮想通貨の革新で生まれる暗号通貨が、資本主義を超える協働型コモンズ社会を実現する…。

本書では、未来社会プロデューサーの「マツダ」先生が、「カナ」ちゃんの質問に答えるかたちでお話が進められていきます。
2018年8月に発刊した松田学(著)「サイバーセキュリティと仮想通貨が日本を救う」(創藝社)が基礎編、
2019年1月に発刊した「米中知られざる『仮想通貨』戦争の内幕」(共著、宝島社)が応用編だとすれば、
本書は普及啓発編。今後、広くプロモーションが行われる予定です。

【松田学による本書の紹介】
「仮想通貨」というと何かいかがわしいものとのイメージを持たれる方が多いかもしれません。私も、現在流通している仮想通貨に投資することをお勧めするものではありません。
しかし、より正確にこれを「暗号通貨」として考えれば、現在進んでいるイノベーションによって、近く誕生していくことになる暗号通貨が、来たる未来社会への扉を開くことになるでしょう。
その社会は、市場競争で利潤をあげることだけが価値ではなく、人々のそれぞれの生き甲斐をみんながサポートする社会です。市場では価値として成り立たなかったような営みでも、ここでは経済的な裏付けが与えられ、多様な価値が花開くことでしょう。
特定の権力機構に従属することなく、価値観を共有する人々とともに、自分らしい人生を謳歌しながら生きていける社会。正直者や頑張る者が評価され、報われる社会…。
情報技術の急速な進展は、人々が想像できないほど、人類社会の姿を変えていくでしょう。いずれ、ひとりひとりが中央銀行になることも技術的には不可能ではなくなります。
これまでの資本主義社会は、AIなどの技術革新でますます格差が拡大していくかもしれません。しかし、資本主義とは別に、これからは「協働型コモンズ社会」が広く形成されていくことになります。そこでは大きなパラダイムシフトが起こります。
そうしたネクストソサイエティの基盤となるのが、多様な価値の存在を経済的に成り立たせることになる暗号通貨です
今回の著書は、未来社会のプロデューサーとして、私、松田学が、できるだけ多くの人々と未来への夢を共有したいという思いで書き上げました。
正確さを追求するあまり複雑な表現になってしまわないよう、分かりやすさを重視しました。
ぜひ、本書を手に取っていただき、そもそもお金とは何なのかという原点にも立ち返りながら、日本の、そして人類社会のこれからの道筋を、一緒に考えてみていただければ幸いです。

【Amazonより内容紹介】
難しいことはわからないけど、結局、仮想通貨やブロックチェーンで私たちの暮らしは何が変わるの?そんなモヤモヤを解消するために、金融、経済、情報セキュリティの専門家に教えてもらいました。

<お金のリテラシーが必須>
この本は、投資指南書でも、技術解説書でもありません。これからやってくる社会で上手にお金を稼ぎ、使うための入門書です。
仮想通貨の普及は、これからが本番です。「お金」や「価値」や「信用」の持つ意味が大きく変わろうとしている今こそ、お金のリテラシーが必須になります。

<先生と生徒の対話形式でわかりやすい>
仮想通貨って電子マネーとどう違うの?ブロックチェーンがあると、どんないいことがあるの?現金も銀行もいらなくなるの?お金ってなんなの?
そんな素朴な疑問から、とにかく簡単に理解できます。
お金について考えることが、絶対楽しくなる一冊!

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【本書(おわりに)から】
私たちは、AI革命という、かつてない技術変革のただなかにいます。かつて産業革命と機械化で多くの職人が仕事を失ったときのように、これからはAI革命で多くのホワイトカラーが職を奪われると危惧されています。産業社会からあぶれる人が多くなり、豊かでモノがあふれる社会で、そのモノを十分に買えない人が出てきています。トランプ大統領は、このような中間層の没落を貿易問題に還元しましたが、本当の理由は技術革新にあります。いくら国境の壁を高くしたところで、格差は縮まりません。

格差が拡大するなかで、貧困層が恨みを抱きながらトリクルダウンのおこぼれを待つような社会が、はたして正しいものなのかどうか、私は疑問に思います。ではどうすればよいのか。富裕層から税金をとってベーシック・インカムで国民全員に配れば良いと言う学者や政治家もいますが、それでは解決になりません。「ヘリコプター・マネー」でどんどんお金を増やして配れば良いと言う経済学者もいますが、それで活力のある社会が作れるでしょうか。私はそうではなく、資本主義からあぶれ出た人々が、それでも生きがいを持てるような場が必要だと考えます。

技術革新だけではありません。平均寿命が延びることで、会社人間からリタイアした人々にリタイア後に与えられる膨大な時間を、どうイキイキと過ごすかということも大きな課題になっています。平たく言えば、資本主義の苛烈な市場競争から離れて、それぞれが自立したコミュニティーや経済圏を持ち、お互いに協力してコラボレーションしていけるような場がどうしても必要になっていきます。私はそれを、資本主義の競争経済社会との対比として「協働型コモンズ社会」と呼んでいます。

資本主義社会では競争が必然となります。そこでは、投資によってお金を儲けて利潤を上げることでしか、新たな価値(お金)が生まれません。本書でも述べたように、資本主義のお金は、利潤を上げて金利をつけて返済してくれる先に銀行がお金を貸すという信用創造によって生まれています。まさに今のお金は資本主義のお金です。それを否定するわけではありませんが、それだけでは寂しい社会になってしまうと思うのです。

…社会には、資本主義の論理に馴染まないさまざまな価値があります。たとえば助け合いだとか、社会貢献だとか、クリエイティブな芸術だとかです。これらは、資本主義のマーケットでは利潤(価値)を上げることはできませんが、それでも、それぞれ理解してサポートしてくれる人が少なからず存在する、たしかな価値です。

このような価値は、資本主義の世の中では、お金を生み出すことができないために埋もれがちでした。しかし、「みらいのお金」(暗号通貨)があれば、これらの価値が認められて、発展するようになると思います。P2Pで個人と個人が直接つながる社会でこそ、定量的に計ることのできない一人ひとりのユニークな価値が際立ってきます。…いずれ、この「みらいのお金」の世界では、一人ひとりが中央銀行であり、独立した事業主になる、暗号通貨の技術革新が、そんな未来社会を実現することも夢ではありません。

…価値観がますます多様化するなかで、資本主義の価値観一辺倒では、息苦しさを感じる人が、これからも大勢出てくるでしょう。…私たちには競争と協働の二つの面が必要です。そして、協働の側面を支えるのが、自分の価値を伝えるため、そして他人に「いいね!」を送るために発行する「みらいのお金」なのです。
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プロフィール

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Author:matsuda-manabu
松田政策研究所は、松田学を中心とした講師・研究員が、これからの日本の未来に関する国家像や社会の在り様について総合的な調査・研究 を行い、夢を持てる国づくりの基盤を創り、社会と国家の発展に寄与するのが目的です。

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