松田まなぶ 第39回新公共サービス研究会
- 2013/12/28
- 23:19
新公共サービス研究会という、主として国土交通省を中心とする現役・OB官僚や民間金融機関の方々をメンバーとする勉強会があります。主催者である京南倉庫社長の上村多恵子さんの呼びかけで、もう6~7年、2か月に一度の頻度で開催されてきました。一貫して追求してきたテーマは、公共部門への民間資金の導入。写真は、12月16日に開催された2013年最後の会のあとの忘年会です。この日のテーマは地方債でした。
私はこの研究会創立以来のメンバーですが、上村社長とは、私が大阪国税局の査察部長だった頃から、かれこれ16~17年のお付き合いになります。当時、私が京都で講演をした際に、上村社長から受けた、「国の財政もバランスシート管理をすべきだ」という質問に十分な即答ができず、プロとして忸怩たる思いをしておりましたが、その直後に大蔵本省に戻り、私なりの考えを手紙にまとめてお送りしたのが、その後のご縁のきっかけになりました。それは私の当時の問題意識にも合致していたもので、あちこちで議論もしていましたが、ちなみに、大蔵省主計局で初めて、国のバランスシートの作成が検討されるようになったのもその頃です。現在は、あくまで決算ベースではありますが、バランスシートが公表されるようになっています。
上村さんとはその後も時々お会いしては、談論風発を楽しんだり、色々な方をご紹介していただいたり、さまざまな面でお世話になってきました。2001年に私が財務省の関税局におりました際に担当した産業空洞化に関する研究会のメンバーになっていただいた際には、関経連からも、関西を代表する女性経営者として推薦を受けたことを記憶しています。この関税局の研究会で国際物流を扱ったことがご縁で、その後、国土交通省関係の審議会や研究会などでご活躍されるようになり、同省のご意見番的な存在にもなられています。
この新公共サービス研究会では、財政が厳しい中で民間資金を公共分野にどう活かしていくかを、有識者や当事者の官僚などを講師に迎えながら、ずっと議論してきましたが、官民の交流が難しくなっている今の世の中で、特に、国土交通省と民間金融機関とが直接、忌憚ない議論で共通認識を形成する場というのは貴重です。このテーマのもとに、PFIやPPPは当然のこと、日本では最先端の政策論が取り上げられ、最近では、実際の国の政策も、本研究会の問題意識に即した形で進化してきたように思います。レベニューボンド構想(自治体などのインフラ整備に当たり、当該インフラの運営収入を原資とする償還スキームで資金調達) 、コンセッション方式(国から民間に公共インフラサービスの経営権を譲渡)など、議論は百出してきました。
私自身、かねてから、財政改革のあり方として、国債という「債務」ではなく、もう少しエクイティー的な概念を公共部門のファイナンスに導入すべきではないかと考え、2009年には共著で「永久国債の研究」(光文社)という本まで出したことがあります。それは、「税」というものを公共サービスのコスト負担としてではなく、「国家への信託」ととらえるぐらいの大改革です。その端緒として、民間が資本性に近い考え方で資金を公的な価値に対して拠出する仕組みである「パブリック・エクィティー」を実現したいというのが、私が政治に出ることになったきっかけの一つだったかもしれません。
公共ファイナンスのイノベーションに向けて、この研究会は良い議論の場でもありますので、今後も私なりの貢献を続けていければと思っております。
なお、私が衆院内閣委員会で関わった、いわゆる「PFI法案」が前通常国会で成立し、10月には「民間資金等活用事業推進機構」が設立されましたが、上村さんは、その社外取締役に就任しました。まさに、この研究会で発展させてきた議論を、実務家の立場から活かす地位に就かれたということで、ますますのご活躍を期待しています。
私はこの研究会創立以来のメンバーですが、上村社長とは、私が大阪国税局の査察部長だった頃から、かれこれ16~17年のお付き合いになります。当時、私が京都で講演をした際に、上村社長から受けた、「国の財政もバランスシート管理をすべきだ」という質問に十分な即答ができず、プロとして忸怩たる思いをしておりましたが、その直後に大蔵本省に戻り、私なりの考えを手紙にまとめてお送りしたのが、その後のご縁のきっかけになりました。それは私の当時の問題意識にも合致していたもので、あちこちで議論もしていましたが、ちなみに、大蔵省主計局で初めて、国のバランスシートの作成が検討されるようになったのもその頃です。現在は、あくまで決算ベースではありますが、バランスシートが公表されるようになっています。
上村さんとはその後も時々お会いしては、談論風発を楽しんだり、色々な方をご紹介していただいたり、さまざまな面でお世話になってきました。2001年に私が財務省の関税局におりました際に担当した産業空洞化に関する研究会のメンバーになっていただいた際には、関経連からも、関西を代表する女性経営者として推薦を受けたことを記憶しています。この関税局の研究会で国際物流を扱ったことがご縁で、その後、国土交通省関係の審議会や研究会などでご活躍されるようになり、同省のご意見番的な存在にもなられています。
この新公共サービス研究会では、財政が厳しい中で民間資金を公共分野にどう活かしていくかを、有識者や当事者の官僚などを講師に迎えながら、ずっと議論してきましたが、官民の交流が難しくなっている今の世の中で、特に、国土交通省と民間金融機関とが直接、忌憚ない議論で共通認識を形成する場というのは貴重です。このテーマのもとに、PFIやPPPは当然のこと、日本では最先端の政策論が取り上げられ、最近では、実際の国の政策も、本研究会の問題意識に即した形で進化してきたように思います。レベニューボンド構想(自治体などのインフラ整備に当たり、当該インフラの運営収入を原資とする償還スキームで資金調達) 、コンセッション方式(国から民間に公共インフラサービスの経営権を譲渡)など、議論は百出してきました。
私自身、かねてから、財政改革のあり方として、国債という「債務」ではなく、もう少しエクイティー的な概念を公共部門のファイナンスに導入すべきではないかと考え、2009年には共著で「永久国債の研究」(光文社)という本まで出したことがあります。それは、「税」というものを公共サービスのコスト負担としてではなく、「国家への信託」ととらえるぐらいの大改革です。その端緒として、民間が資本性に近い考え方で資金を公的な価値に対して拠出する仕組みである「パブリック・エクィティー」を実現したいというのが、私が政治に出ることになったきっかけの一つだったかもしれません。
公共ファイナンスのイノベーションに向けて、この研究会は良い議論の場でもありますので、今後も私なりの貢献を続けていければと思っております。
なお、私が衆院内閣委員会で関わった、いわゆる「PFI法案」が前通常国会で成立し、10月には「民間資金等活用事業推進機構」が設立されましたが、上村さんは、その社外取締役に就任しました。まさに、この研究会で発展させてきた議論を、実務家の立場から活かす地位に就かれたということで、ますますのご活躍を期待しています。

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