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松田まなぶ JR北海道問題で同社社長や国土交通大臣等に質疑~衆院国土交通委員会~

 相次ぐ列車事故で、その管理体制や安全対策の不備が強く問われ、世間を騒がせているJR北海道の問題について、11月22日の衆院国土交通委員会は同社の野島社長他幹部を参考人として招致し、太田大臣以下国土交通省を含めて質疑を行いました。私も20分の質問に立ちました。

松田まなぶ(松田学)のブログ-1

 JR北海道は平成23年5月に石勝線で負傷者数79名となった脱線事故を起こしましたが、その後も、今年だけでも出火事故や脱線事故を含め、数多くの輸送トラブルを起こしています。あまりにずさんな安全管理体制や経営体質などが、今回の委員会での各委員からの追及でも明らかになり、JR本社の答弁も極めて不明確なものでした。
 ただ、責任追及も大事ですが、憤慨しているだけでは何も変わりません。国民の安全をきちんと確保できるよう、抜本的な対策をどのように講じるかが重要です。私からは、他の委員とは少し異なる視点に立った質疑をさせていただきました。

 私の質疑の模様は、こちらから松田学を選択して動画をご覧ください。
             
松田まなぶ(松田学)のブログ-2
「JR北海道の野島誠社長」
           
 日本維新の会の石原慎太郎共同代表は、演説でよく、毛沢東の「矛盾論」を引用します。目の前の矛盾(問題)を見るだけではなく、その背後にある「主要矛盾」は何かを見極め、そこに手を付けなければ問題は解決しないという論です。
 では、JR北海道問題の聞くに堪えない現象の背後にある主要矛盾とは何なのか。
 今回の質疑に先立って、私はJRのOBや専門家の意見を聞いてみましたが、それはズバリ、組合問題だという指摘がありました。委員会でも自民党の平沢勝栄議員がこの問題を取り上げ、経営陣が組合に遠慮して対策を十分に講じられなかったことを指摘していました。それも恐らく「主要矛盾」でしょう。
 ただ、私はやはり、このJR北海道という、国鉄分割民営化に際してつくられた輸送サービス提供機関としての設計や会社の収支などの経営体制そのものに根本的な主要矛盾があるのではないかと考えました。他の委員からの質疑では、同じく過疎地が多く経営の厳しい3島会社(JR北海道のほか、四国、九州の各社)の中でも、こんな問題を起こしているのはJR北海道だけであり、おカネがないからという言い訳は通用しないという厳しい指摘がなされていましたが、そうとも言い切れない面があります。
 かつて私は、財務省から国土交通省の本省部局である北海道局(旧北海道開発庁)に予算課長として出向し、国の一般会計予算の公共事業費のうち、かつては1兆円近くあった北海道枠の編成に携わっていたことがあります。この枠は、北海道が広大で積雪寒冷地というハンディを背負っているだけでなく、食料基地をはじめ国全体にとってその開発に様々な意義のある北海道の公共事業に対しては、補助率を上げたり、直轄事業を手厚くするなどの「北海道特例」を講じるために設けられている予算計上の枠です。

 メルカトル図法では分かりにくいのですが、>函館から北海道東端の根室辺りまで、距離にして東京から広島ぐらいまであるとされます。空間的スケールが本州とは異なる広大な北海道のローカル線を維持しながら、独立採算の民間企業で、準公共財ともいえる鉄道サービスを円滑に運営していくこと自体、そもそも設計に無理があります。
 このような北海道だからこそ、道路を含めたインフラ整備には北海道特例が講じられているのですから、例えば有料道路などと同じ準公共財である鉄道事業については民営が基本だとするなら、そこには何らかの支援スキームが組み込まれていなければなりません。そのために、国鉄民営化時に講じられたのが、経営安定基金の運用益をJR北海道に投入するというスキームです。ところが、近年の金利低下で運用益収入が激減し、それを他の運用で補てんするなどの措置を国は講じてきましたが、それでも経営が安定するには至っていません。
 このスキームは、金利が低下すると、本州3社の金利負担を軽減し、3島会社の収入を減らすことで、格差を拡大させるという不安定なメカニズムを内包するのであり、もっと持続可能なスキームを構築する必要があることを、私は強く指摘し、太田大臣もうなずいていました。

 質問の詳細につきましては、こちらをご覧ください。
                         
 最後に太田大臣に対し、今後構築すべき財源スキームについて、いくつかの案をぶつけましたが、大臣からは、今回の事故の実態調査を踏まえながら、今後の経営スキームのあり方について検討を加えていくという前向きの答弁がありました。

松田まなぶ(松田学)のブログ-3
「答弁する太田国土交通大臣」

 もちろん、JR北海道には甘えは許されません。しかし、何事も「設計」が悪ければ持続可能ではありません。「安全」というものも大事な公共財です。その安定的な確保に向けた実効あるスキームの構築に向けて、国レベルでの建設的な議論を仕掛けさせていただきました。

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コメント

1. 初訪問です!

初めまして!ブログ記事読ませていただきました!アメブロをいろいろ見ていたらたどり着きました!お互いに更新がんばりましょうね!次も楽しみにしています!

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松田政策研究所は、松田学を中心とした講師・研究員が、これからの日本の未来に関する国家像や社会の在り様について総合的な調査・研究 を行い、夢を持てる国づくりの基盤を創り、社会と国家の発展に寄与するのが目的です。

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