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松田まなぶ 17回目の国会質問~財務金融委員会~

 金融政策に関して黒田日銀総裁に対し、財政政策に関して麻生財務大臣に対し、6月19日の衆院財務金融委員会で質問に立ちました。
 
 質問の様子について、動画はこちらから松田学を選択してご覧ください。

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 アベノミクスの第一の矢、大胆な金融緩和で日銀は自らのバランスシートを2倍に拡大する異次元緩和を打ち出しましたが、それでデフレ脱却に向けて日本経済が動き出したわけではありません。むしろ、市場は長期金利が上がったり、株価や為替が上下したりで、不安定となり、異次元緩和の表明でいったん上がった株価も元の水準に逆戻りしてしまいました。
 
 政策の規模が大きければ大きいほど、市場に対してよほど明確な道筋を示さない限り、リスクは大きくなります。この金融政策、このままで本当に大丈夫なのか…。どうしても日銀総裁に質しておきたいことがありました。

 私の質問の内容をまとめたものは、こちらをご覧ください。

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 金利が下限に張り付いて、これ以上下がりようがない『流動性の罠』に近い状態にある日本では、金融政策に効果があるのは、人々のインフレ期待が上昇することで実質金利が低下するルートしかないのですが、その前提は金利が上がらないことです。
 黒田総裁は、案の定、日銀は長期金利をコントロールできないし、その今後の推移についての展望を示すことにも限界があると答弁しました。また、長期国債を大量に抱え込んでしまうと、今後、日銀自体が身動きがとれない状態になる可能性があります。
 多くの人が気づいていませんが、日銀も資金を調達して運用する金融機関の一つです。他の民間金融機関と違うのは、銀行券という一種の無利子永久債券を発行できる唯一の銀行という点です。日銀の負債は、この銀行券(長期調達)と、銀行などからの当座預金(短期調達)の2種類です。
 今回の異次元緩和とは、従来、銀行券発行残高(市中に存在しているお札の量)という長期調達の範囲内で購入していた国債(長期運用)について、長期調達運用というALM上の原則(銀行券ルール)を崩して、当座預金で調達するおカネで国債などへの運用を急速に拡大しようとするものです。
 現に、日銀が発表した今後2年ぐらいのバランスシート計画では、日銀の負債は銀行券ではなく、当座預金の急拡大で膨らむ姿になっています。これは何を意味しているのかというと、これまで民間の銀行が預金者から預かっていた預金を国債に運用していた姿を、国債ではなくて日銀への当座預金への運用に切り替えさせ、この資金で日銀は民間銀行に代わって国債への運用をするという、国債運用主体の切り替えに過ぎません。これ自体は、市中のマネーを増やすものではありません。つまり、日銀が自らのバランスシートを拡大することは必ずしもマネーを増やすことを意味しません。
 本来の望ましい姿は、民間の資金需要が増大し、それを受けて銀行は日銀への当座預金を取り崩して企業等への貸出に回し、それが市中の銀行券への需要を増やして銀行券発行残高が増えた分を、日銀が長期国債の運用に回すという姿です。まず必要なのは、市中の資金需要を増大させること。だからこそ、まずは長期金利が上昇しない中で、インフレ期待が持続して実質金利が下がって、資金需要が増えるというプロセスが必要なはず。
 私は異次元の金融緩和そのものには反対しませんが、日銀が不安定な世界に入り込んでいることは間違いありません。しかし、その懸念を払しょくできるだけの答弁はありませんでした。

 麻生財務大臣には、未来への投資の財源となる国債と、将来世代にツケ回ししか残さない赤字国債とを区別すべきであり、赤字国債が将来に資産を残す建設国債と同じ60年償還ルールになっていることについて理屈があるのかと質しました。もちろん、理屈などありません。単なる資金繰り上の便宜のためですが、そうした原理原則から外れた財政運営が、これだけの赤字国債残高を招いた一因でもあります。麻生大臣は、赤字国債は繰り上げ償還してでも早期償還に務めると答弁しました。

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 財政金融については、もっと議論したいことが多々ありますが、今国会はこのあたりで打ち止めにしておきました。次の国会が楽しみです。今国会では委員会での私の質疑はこれが最後になりましたが、このあと6月24日には衆院本会議で総理への代表質問に立つことに(今国会での質問は結局、17回に及ぶことに)なりました。これは改めてご報告いたします。
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松田政策研究所は、松田学を中心とした講師・研究員が、これからの日本の未来に関する国家像や社会の在り様について総合的な調査・研究 を行い、夢を持てる国づくりの基盤を創り、社会と国家の発展に寄与するのが目的です。

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